
【第61回保健師コラム】~疲労対策と更年期対策には○○をとろう!その3・完結編~
お疲れ様です。健保保健師の肥後です。
みなさまに疲れにくい体をゲットしてほしいという思いで取り上げる疲労対策3部作、今回は完結編、疲労回復と言えばぜったいに欠かせない!「睡眠」です。
前回は体中に酸素を届け、二酸化炭素を回収する「鉄」、前々回は生体内の様々な反応を促す「亜鉛」です。まだの方はぜひお読みください➡ その1(亜鉛) その2(鉄)
✔ 睡眠のキホン
睡眠の役割は、ざっと挙げるだけでもこれだけあります。
・脳と体の休息 ・疲労の回復 ・記憶の整理、定着 ・免疫力の回復 ・内臓や筋肉の修復 ・成長ホルモンの分泌
つまり、「生きていく上で必要不可欠」だということですね。
✔ よい睡眠を確保するには
もし「平均して6~7時間は眠っているはずなのに、なんだか疲れが取れない」「熟睡した感じがしない」のであれば、ぜひ行っていただきたいのが、「浴びている光の調整」です。
なぜなら、人間は「光」を使って体内時計を整えているからです。その役割とは・・・
・サーカディアンリズム(概日リズム、約1日の周期をもつリズムのこと)をを24時間に調節
・起床直後の光によって体内時計をリセット
・昼間の明るい光はセロトニンを分泌し、夕方になると睡眠を促すメラトニンに変化する
つまり、光の浴び方をうまく調整することで、睡眠と覚醒のバランスが取れ、結果として睡眠の質が上がるということです。
✔ 「光」の具体的な調整法
・朝起きたらまず始めにカーテンを開けて朝日を浴びる
・昼間はできるだけ動いて、少しでも多く光を浴びる(夏場はムリをする必要はありません!)
・禁物なのは夜の強い光
➡夜の光を避けるために、寝室は昼白色ではなく暖色系の電球色へ変えることをオススメします。
私は、お風呂に入る前に照明を電球色のスタンドライトに変えておいて、お風呂から上がったらなるべくスマートフォンを見ずに(アラームもお風呂前に設定する)、その灯りのまま本を読んだりストレッチをするなど寝る支度をして、ベッドに入るようにしています。
夜勤の方は、夜勤明けの帰宅の際はなるべく光を浴びない、サングラスなどで目に入る光の量を抑えるなどをすると、その後の入眠がスムーズになります。また、その際は短時間の仮眠程度にするとよいでしょう。
✔ 女性の更年期にはなぜ睡眠ケアが大事なのか
更年期とはおおよそ45歳~55歳頃の、閉経前後5年間のことを指します。女性ホルモンが急激に減少することで、全身に様々な不調をもたらします。
ほてりや発汗といった有名なものは血管運動神経症状と言って、この症状が夜間に起こることで睡眠が妨げられることが考えられています。
また、不安や抑うつなどの精神症状に伴って不眠が生じることもあり、更年期の様々な心理社会的ストレスが原因となる場合もあります。全国的な実態調査で、睡眠に関する問題を抱える人は50歳以降の女性でより多かったという報告があります。
実際に、ヤマトの女性社員の中でも、健診で「睡眠で休養が十分にとれない」と答えた人の割合が最も多かった層が40歳~50歳代後半と、この更年期にあたる年代の方々でした。
ちなみにですが、男性の場合は55歳代後半で最も多いですが、それでも女性の40歳代前半の方よりも低いです。それだけ女性は性ホルモンの影響を受ける特性があると言えます。
✔ どのように対処すればよいか
更年期に睡眠トラブルが起こるのはしょうがない…と言って諦める必要はありません。ムリをしない範囲で工夫をして、睡眠の質を高めたり、ストレスを軽減していく方法はあります。
日常に採り入れやすいことから、入浴と軽い運動をオススメします。
<入浴の効果>
それほど熱くないお湯にゆっくり入ることで、全身の血管が拡張し血流がよくなり、副交感神経が働くことでリラックス効果を得られます。お風呂に入っている間は、ぜひ意識的にボーっとして、何も考えない時間の心地よさを愉しんでください。
<軽い運動の効果>
入浴同様、副交感神経を刺激します。ウォーキングなどのリズム運動はセロトニンの分泌を促すため、最もオススメです。デスクワーク中心で運動習慣のない方は、ぜひ一日あたり10分でも多く体を動かすことから始めてみてください。ワンフロア分階段を使う、軽いスクワットをする、片足立ちを交互に行う、つま先立ちをする、軽くジャンプする…日常的に採り入れられる軽運動は意外とたくさんあります。
座っている間に気が付いたら両膝を押し合う、腹筋に力を入れる、などもすぐに行えることでオススメです。
入浴と軽い運動を習慣化させると、それだけでも更年期の諸症状を和らげることになり得ます。睡眠が改善すれば、ストレスが軽減し、さらにご機嫌な自分へとつながるでしょう♪
こうした工夫をしてもなお、仕事や予定に影響するほど、更年期の諸症状が辛いという場合は、ぜひ、婦人科の受診を強くオススメします。更年期と思いこんでいたら、裏に大きな病気が隠れていた、ということがありますし、受診をすることで、漢方やホルモン補充療法といった治療につながることができます。
✔ 「メノポハンド」という言葉を聞いたことはありますか?
最近分かってきたことです。更年期にあたる女性の多くが、手指の関節に炎症や痛み、しびれを経験しているというもので、その原因が女性ホルモンの減少とのことなのです。特集されていたテレビ番組では、とある芸能人の女性が「痛くて、ペットボトルの蓋が開けられなかった」と話していました。
それ程まで症状があるならば、デスクワークの方はもちろんですが、ヤマトでは多くの女性が作業スタッフとしても活躍されていますので、業務にもプライベートにも支障がでるのでは、と心配をしております。
症状がある場合は医療機関に相談し、早期に適切な対処をすることで良くなることが考えられます。
様々な調査から、更年期の症状を自覚しているものの、受診をしている方の割合はとても低いことがわかっています。ぜひ医療をうまく活用して、ガマンしないで過ごす毎日を送ってほしいと思います。
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今回で保健師コラムは終了となります。
お読みいただいたみなさま、ありがとうございました。
みなさまの健康的な職業生活を、変わらず応援しております!
