
知っておきたい健康保険組合のはなし
保険料はどのように使われているの?
健康保険組合は、皆さまと会社が毎月負担していただく健康保険料をもとに運営しています。主に行っているのが、皆さまが病気やケガのときにサポートする「保険給付」や、日頃の健康づくりをサポートする「保健事業」です。また、国への納付金を通じて、高齢者医療制度も支えています。
今回の特集では、健康保険組合の運営について保険料を取り上げて解説していきます。
健康保険料はどのような仕組みになっているの?
健康保険は、病気やケガ、またはそれによる休業、出産や死亡といった事態に備える公的な医療保険制度です。健康保険に加入すると、保険料を納めることになります。
保険料は収入(給料や賞与等の総報酬)に応じた額を、社員の皆さまと事業主の負担割合に応じて給料から控除されます。
一般保険料率 | 介護保険料率 | |
---|---|---|
被保険者負担率 | 4.43% | 0.85% |
事業主負担率 | 5.57% | 0.85% |
合計 | 10.00% (調整保険料率を含む) | 1.64% (40歳以上65歳未満の被保険者は負担) |
保険料の種類
健康保険料のうち「一般保険料」は、健康保険加入者へ医療費負担や各種保険給付をはじめ、健診などの健康を守るための保健事業等に使われる「基本保険料」と、高齢者医療制度等への支援金に使われる「特定保険料」で構成されています。
さらに、40歳以上65歳未満の方から徴収されるのが「介護保険料」です。介護保険制度は全国の市区町村が運営していますが、保険料の徴収は健康保険組合で行っています。
このように健康保険料は少子高齢化などの社会課題への対応のためにも使われています。


健康保険料の使い道①【保険給付】
皆さまが収める健康保険料のうち「基本保険料」は、健康保険加入者の医療費の一部や各種保険給付をはじめ、健診や健康づくりのための保健事業に使われています。
療養の給付
業務外の病気やケガで治療を受けた場合、医療費の一部を健保組合が負担しています。


その他の主な保険給付
支給条件、支給額などの詳細はこちらをご覧ください。
高額な医療費を支払ったとき
- 高額療養費
- 同一月にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額を超えた分が後で払い戻される制度です。
病気や出産で仕事を休んだとき
- 傷病手当金・出産手当金
- 病気や出産で仕事を休み、その間の給与が受けられないときに、給付金が支給される制度です。
出産するとき
- 出産育児一時金
- 被保険者および被扶養者が出産されたときに、給付金が支給される制度です。
保険料の使い道②【健康づくりをサポートする保健事業】
健保組合では、皆さまがより健康で充実した生活を過ごせるよう、事業主(会社)とも連携しながら、健康の保持・増進のための各種事業を行っています。
主な保険事業
今年度の健康づくり事業の内容については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
病気の早期発見
- 健康診断・がん検診
- 定期健診時に生活習慣病に関連する様々な検査を実施しています。また、各種がん検診への補助金支給も行っています。
健康リスクが高い方へアプローチ
- 重症化予防
- 健診の結果、健康リスクの高い社員に対し面談による支援や、個別指導、医療機関への受診勧奨を行っています。
ヘルスリテラシーの向上
- 広報サイト・健康増進Webサービスの提供
- 広報サイト「けんぽだよりWEB」や健康増進Webサービス
「MY HEALTH WEB 」を通じて、皆さまの健康づくりをサポートしています。
保険料の使い道③【高齢者医療制度を支えるための納付金】
皆さまが収めた健康保険料のうち「特定保険料」は、高齢者医療を支えるための「前期高齢者拠出金」および「後期高齢者支援金」として、健康保険組合から国へ納めています。
その金額は高齢者医療費の増加とともに毎年増しており、組合財政の大きな負担となっています。
2025年は、戦後のベビーブーム期に生まれた「団塊の世代」の人々が全員75歳以上の後期高齢者になる年です。少子化により現役世代は減少していく中で、医療費や介護費などの社会保障費の負担はさらに増大していきます。

ここでクイズ!Q
日本全体の医療費のうち、約a割が75歳以上の高齢者の医療費です。自己負担を除いた高齢者の医療費の内訳は、約1割がb、約4割がc、約5割がdです。
- Q1 : aに入る数字はなんでしょう?
- Q2 : b、c、dに入る言葉はそれぞれ何でしょう?下の選択肢から選んでください。
- 税金
- 現役世代の負担
- 高齢者の保険料
正解はページの最後に!

健康保険組合では、今年度も皆さまからお預かりした保険料を有効に活用し、皆さまの健康増進と安心のために、より一層充実した事業を展開してまいります。引き続きご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
クイズの答え
Q1の答え
「4」
2022年度の医療費総額は約47兆円、そのうち4割の約18兆円が75歳以上の高齢者の医療費です。
Q2の答え
「b…高齢者の保険料」、「c…現役世代の負担」、「d…税金」
高齢者医療の多くは、税金と現役世代の負担によって支えられています。